第2章

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テンはしばらく猫耳をぴくぴくさせると、おもむろに立ち上がり、南側の窓へと歩み寄る。 えーっと、この子は何をするつもりなんだろう? 僕は興味本意でテンに近づこうとしたら、 「志郎殿、危険だから下がるであります」 危険って、ここ……僕の部屋なんですけど。僕の部屋ってそんなに危険なんですか? テンは窓を開けると、青空が絶え間無く広がっている虚空を睨みつける。そして、なんの躊躇いもなく着ている迷彩服を脱ぎ始めた。 「ちょっと待てぇぇぇいっ!」 「な、なんでありますか?」 大声にビクッと肩をすくめるテンが聞き返してきた。なんでありますかじゃねぇっ! 「なに脱ごうとしてるんだっ!? しかも窓辺はやめろ! 誤解される!」 「大丈夫であります。自分はむしろうぇるかむです」 止めてくれぇぇぇぇぇ! 僕の制止の声は虚しいかな、テンには届かず、テンは慣れた手つきで迷彩服を脱ぎ捨てた。 さんざん言っておきながら、脱ぐなり不覚にもグッジョブとか思ってしまったのは思春期ということで水に流してくださいな。
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