第2章

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これはアレか? 警察とかに通報したほうがいいんじゃないのか? もしくは自衛隊? 僕がテンパってるのにも気づいていないかもしれない。 テンが振り返った。すでに右膝のカバーは隠れている。 一仕事終えたテンは誰もを魅了する笑顔を浮かべて、 「敵の短距離ミサイルの迎撃に成功しました」 猫耳をぴくぴくさせ、腰から尻尾がうねうねして、さらに足からミサイルを放つ彼女。そんな彼女に僕は震える声で尋ねた。 「キミはいったい……」 彼女は猫耳や尻尾を隠そうともせず、僕の手を両手で包む。その手は本物と寸分違わず温かいそれ。そして彼女は告げる。 「自分は猫型家政婦家動機DRA-14F天山を戦闘用に改造した猫型装甲機DRA-14F-2天山改。あなたを守るために送り込まれた護衛機であります──」 真っ直ぐな彼女の目。 ちょっとくらいなら、テンの言うことを信じてみたくなった。
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