307人が本棚に入れています
本棚に追加
これはアレか? 警察とかに通報したほうがいいんじゃないのか? もしくは自衛隊?
僕がテンパってるのにも気づいていないかもしれない。
テンが振り返った。すでに右膝のカバーは隠れている。
一仕事終えたテンは誰もを魅了する笑顔を浮かべて、
「敵の短距離ミサイルの迎撃に成功しました」
猫耳をぴくぴくさせ、腰から尻尾がうねうねして、さらに足からミサイルを放つ彼女。そんな彼女に僕は震える声で尋ねた。
「キミはいったい……」
彼女は猫耳や尻尾を隠そうともせず、僕の手を両手で包む。その手は本物と寸分違わず温かいそれ。そして彼女は告げる。
「自分は猫型家政婦家動機DRA-14F天山を戦闘用に改造した猫型装甲機DRA-14F-2天山改。あなたを守るために送り込まれた護衛機であります──」
真っ直ぐな彼女の目。
ちょっとくらいなら、テンの言うことを信じてみたくなった。
最初のコメントを投稿しよう!