第3章

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突然引き出しから現れた女の子は天山改と名乗り、実は猫型家政婦家動機を改造した猫型装甲機DRA-14F-2天山改らしい。 うむ、普通に考えたら信じられるわけがない。深夜の地下鉄で酔っ払いのオッサンが「実はワシ、宇宙人なんだよ」と妄言を吐くのと同じくらい信用できない。 しかし、彼女だけは信じざるをえないのだ。だって頭にはぴくぴく動く二等辺三角形の耳、腰からはうねうね動く尻尾、首元にはなぜか金色の鈴がついている。 さらに、いきなり右足からミサイルをぶっ放すという人間業とはとうてい思えない迷惑行動。 これら物的証拠の数々を見て、誰が否定できようか、いやできない(反語)。 でも、 「いい加減信じるでありますっ!」 「し、信じるから拳銃を眉間に突き付けないでっ!」 眉間に当たるひんやりとした感覚に汗を流し、僕は身震いする。 それにしてもコイツは僕を守りに来たのか、それとも僕を殺しに来たのか、ものスゴく不安になる。 テンは右足のカバーをスライドさせ、手入れをし始めた。
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