第1章

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    「──家猫1号より、家猫2号。家猫1号より、家猫2号」 「こちら家猫2号。家猫1号どうぞ」 「こちら家猫1号、所定位置についたであります。どうぞ」 「こちら家猫2号。これより作戦を決行する。なお、本作戦においては、妨害するものに対してのみ無条件の発砲許可がでている」 「了解したであります」 *** 「──ただいまー」 なんだか力が抜けてしまうあいさつ。知り合いは僕のあいさつをこう認知している。 自分ではそんな脱力系などとは思っていないけれど、他人さまからしてみれば脱力系らしい。もしかして嫌がらせの意味も込められて……いや、アイツらに限ってそれはありえないか。でも、よくよく考えてみれば他人からの評価なんてしょせんはそんなものだけどね。 まぁ、その脱力系あいさつをしながら僕は玄関のドアを開けて中に入る。築20年と微妙な年月を桜木家と過ごした家だが、まだまだ綺麗なものである。 うっすらと浮いた汗すら拭わず、手すら洗わず、僕は本能のままに直行する。
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