第1章

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いったいどこへ? そんなもの言わなくてもわかっているであろう諸君。 季節は激しく照りつけるS気たっぷりな太陽が拝める夏。なおかつ汗水たらし、必死に学校から帰ってきた金曜日の夕方。 無論、今のでわからない人もわかってくれたはず。 こんな暑い日には──冷凍庫に入ったアイスを頂戴するのに決まってる! 期待と甘味と冷涼に心を踊らせて、僕はキッチンへとやって来た。無意識にスキップなんかしてるあたり僕の楽しみ度の1割ほどが伝わるに違いない。 僕は汗ばんだ手で冷凍庫の扉に手をかけて── *** 「家猫1号より家猫2号へ。家猫1号より家猫2号へ」 「こちら家猫2号。家猫1号どうした?」 「こちら家猫1号。転移空間内に強制侵入者の不明反応を確認したであります」 「やはり来たか。数は?」 「不明反応数……1」 「家猫1号、転移空間内での戦闘は極力避けろ。撒くよう努力するのだ」 「こちら家猫1号。了解……不明反応はこちらへ一直線に接近中。補足されたもようであります。指示を」
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