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「獣……狼?」「だね、それも結構な数」
再び歩き出すと数匹の狼が現れた
「で、出た!」「幽霊じゃないんだからそんなに怯えなくても良いじゃない……はぁ」
狼はバッと郁徒目掛け飛びかかってきた
「……」
郁徒は狼をギンッと睨んだ
「キューン……」
ビクッとした狼は郁徒の目に恐れ立ち止まった
「……もう大丈夫だよ海梨」「……ぁ、大人しくなった」
頭を優しく撫で目を開けた海梨が見た光景は耳を垂らし大人しくなっている狼の姿
「今のうちに……」「はい」
と再び歩き出すとまた狼が現れた
「また来た!」
しかし郁徒は動じず狼に近付いた
「えっ、危ないよ?」「良いから、海梨はそこに居なさい」
郁徒は狼に向かい手を差し出した
「グルルル……」
狼は今にも郁徒に噛み付こうとした
「……お手」
ニコッと微笑むと狼は迷いなく言うとおりにした
「よしよし」
頭を優しく撫でると狼はハッとし郁徒から離れた
「いゃあ、此処まで忠義だなんてびっくりしたよ」『うっせぇ、勝手に体が反応しちまったんだよ』
何と郁徒の目の前にいる狼が喋った
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