『葬式に猫』

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しかし、そんな彼らの顔を見てはっとした。中には目元を押さえる奴もいれば、浮かない顔で顔を下に向けたままの奴ばかりだからだ。今から後悔しても仕方ないんだっと言ってやりたい気分だった。 なぜか勝ち誇った気分だった。彼らの罪悪感が私を優位な立場に立たせる。それで私は満足だった。 少しの満足を味わった後も、玄関に目を凝らしていた。バイト仲間、高校のクラスメート、彼らの親達……。意外と数は多くて驚いた。しかもそんな彼らがみんな悲しい顔をしているのだから信じられなかった……。 彼らも前者のいじめのクラスメートと変わりない。私をいない存在として扱い、いじめ同然の仕打ちをしてきたのだから。先ほどの満足をまた味わった後、不思議な感覚が訪れた。 なんで私の死を悲しむのか……?あれだけ私を痛めつけたのに……。 そしてようやくわかる自分の死因。自殺だった。引きこもりから、耐えれなくなり、自分が生きている価値も失い自殺したのだった。 死んでも誰も泣いてくれる人なんていない。いっそ死んだ方が彼らには、嬉しいんじゃないかと思って死んだのに、反対だった……。 彼らは泣いている……。自分の罪悪感に耐えきれなくなって泣いているのだ。先ほどの満足感とは打って変わって、私に罪悪感が生まれた。 でも、これは当たり前のことだと思った。いじめを続けた当人が、泣いて当然だと。それは自分が悪いのだと。私は何も悪くない。そう腹をくくった。
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