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高木部長の話を半分以上立ち寝して聞いていた俺。
多分、高木部長はこっち見たはず。何か、声が俺に向かって飛んできてたし。別にいいもーん。
それよりも、早く終わってくれ。本当に熟睡しちまう。
一瞬ガクッといきました。辺りを見たらみんな仕事してました。教えてよ、みんな。
「おい、山本。丸越デパート行くんだろ? 早く行け」
高木いい。いつか、お前を……あわわわわっいけないいけない。
「すみません、行ってきます」
ゼッテー、高木部長より俺の方が大人だし、フンっだ!
俺は、気持を切り替える為に首をまわして、サキさんにアドバイスしてもらうチラシの入ったクリアファイルとカバンを段ボール箱に突っ込んで、ササッと足早にフロアを出た。
外まわりの方が、よっぽどいいし。あんな陰湿な空気の中よりも……そう、もっと華やかで、綺麗で、いいかほりのする。
デパートの化粧品売り場を想像するだけで、幸せになれる!
ってか、変態じゃないです、グスン。
俺は段ボール箱を抱えた手でエレベーターのボタンを押した。まだこねえ。やっぱ、今日ついてねえ。
そうそう、デパートの化粧品売り場を考えておこう。時間も早く過ぎるだろう。
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