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それから、いくらか年月が流れました。
わたしはまた祖母の家へ行き、ほんの少し大きくなったチャコと楽しい日々を過ごしました。チャコは年を追うごとに、どんどんやんちゃになっていきます。
祖母の家に一ヶ月ほど滞在したのち、自宅に戻って羽を伸ばしていたわたしは、ある日偶然、電話で祖母と話す母を目撃しました。
その内容を耳にして、わたしは頭を鈍器で殴られたような、強いショックを受けました。出来れば嘘であって欲しいと、願いました。
――チャコはまた失踪してしまったんです。数年前の不安が一気に蘇りました。
チャコはやんちゃな性格ですから、ぴょんと車道に飛び出して、車に跳ねられてしまったのかもしれない。他の猫と喧嘩してるのかもしれない。嫌な予感ばかりが頭の中をぐるぐる回って、離れなくなりました。
――もう、二度とチャコと遊べなくなるかもしれない。ただでさえ、夏休みか冬休みにしか会えないのに……。
わたしは二度目の奇跡を祈りました。
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