異変

2/9
前へ
/102ページ
次へ
不思議と、体は痛くなかった。 あれ、僕は死ぬどころか、怪我もしていないのか? かたく閉じた目を、おそるおそる開く。 そこに見た光景は、血まみれの僕と、騒がしい人だかり。 ああ、これは幽体離脱ってやつだ。 僕は死んでいるか、死ぬ直前かも知れないというのに、やたらと冷静な気持ちだった。 もともと、おとなしい性格だ。 感情に流されたりもあまりしない。 だからだろうか。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5746人が本棚に入れています
本棚に追加