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きっと、幽体離脱なら、体に戻れば僕は生き続けられるんだな。
それより、なんだか、やけに目線が低いな。
幽霊ってやつになると、体が縮んじゃうんだろうか?
そう思いながら、体に入ろうと、僕は僕に近づいた。
いや、近づこうとしたけれど、僕は宙にふわりと浮いてしまい、体に入ることはできなかった。
このまま、天まで昇って死ぬのか?
そう思うと、急に胃の辺りが縮こまって、恐怖がこみ上げてきて、いやだ、死にたくない、ともがいた。
あるはずのない四肢が空を切る。それはとてもリアルで、本当に実体がありながらもがいているようで、そうしているとまだ希望はあるんじゃないかと思えるようで、なんだか少し安心した。
だけど、僕が本当にうろたえることになったのはここからだ。
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