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「こら、暴れないの!」
頭上から声が聞こえ、しかられてしまった。
天の声ってやつなのか?
ふと上を見あげると、そこには人間がいた。それも、でかい中年のおばさん。
「近づいちゃだめよ!」
つばを飛ばし、再び怒鳴る。
こいつは、霊の親玉みたいなもんなんだろうか?
僕を体に戻さないよう、霊界に連れて行くよう、捕まえにきたんだろうか。
そんなのは、ごめんだ。
離せ!離せ!
僕はまだ生きるんだ!
再びもがくと、さらにおばさんが怒鳴った。
「まったく、どこの猫なのよ!黒猫がこんな場面に現れるなんて、不吉ね!」
僕は、耳を疑った。
猫?
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