異変

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僕は、猫として、ずっと生きていかなくてはならないらしい。 たぶん、猫として死ぬまでずっと。 そう考えると重苦しい絶望感に襲われる。 この小さな背中にはとても耐えられないような、重い絶望感。 ああ、家族は悲しむだろうな。 冷蔵庫のアイス、まだ食べてないや。 クラスメイトと、海に行く約束しちゃった。 大学受験の勉強、せっかく頑張りだしたところだったのになあ。 バイトだって、急に辞めることになっちゃうや。迷惑かけるな。 猫って、泣くんだろうか。 目が、いまどうもぼやけている感じがするんだけれど。
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