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危ない!
声には出なかったものの、僕はなんとかそれをよけようと空中でもがいた。
そうした意味があったのかどうかは実際のところわからないけれど、僕の体はどうにか黒猫を避け、そのすぐ近くに叩きつけられた。
意識はそこで途切れた。
もしかしたら、人の叫び声とか、呼びかける声とかが聞こえていたかもしれない。
だけど、その記憶が「僕の体にいた僕の記憶」なのか、「すでに僕の体からいなくなった僕の記憶」なのかは、今となってはもう、わからない。
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