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視界いっぱいに那智の怒った顔が映る。
「…お、犯せるもんなら犯してみろよ…!」
両手を那智に縫い付けられるかたちで押さえ込まれている今、こんな抵抗は無意味に近い。
「何があったの?」
首を横に振るばかりの俺。
「…蓮…。
言いなさい。」
俺は那智の手をほどこうともがいてみるが、なかなか放してはくれない。
そして、フワッと風が吹いたかと思ったら、俺の首元に顔を埋める那智がいた。
「な、那智!?」
「言うまで止めないよ…。」
その言葉と同時に那智の唇が俺の首元を這い始める。
「……ッ…!?」
俺の身体は嫌でも反応してしまう。
おもむろに那智が顔を上げる。
「蓮、言って。」
那智が静かな声音で言ってくる。
「……寂しかったんだよ。 しばらく、那智とまともに話せてなかったから…。」
那智は、一瞬目を見開いたかと思うと、ニッコリと微笑んだ。
「僕も会いたかったよ。」
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