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出会いはしごく簡単なものだった。
3年前の春、入社式の代表挨拶をしている那智に一目惚れした。
ただそれだけ。
2年9ヶ月の片想いのすえに、俺から告白してOKをもらい、恋人になった。
那智の何処に惚れたか?
決まってる。
―――全部だ。
優しいところも。
人懐っこい性格も。
切れ長な瞳も。
襟足の長めな柔らかな黒髪も。
頑張り屋なとこも。
―――全てが愛しい。
ただ、それは俺だけ。
那智は、きっと遊び半分。
―――あいつは俺を必要とはしない…。
何かあっても、全てが―――――――――――――――――――――事後報告。
どんなに辛くても、
どんなに困っていても、
俺には助けを借りない。
―――それが、那智。
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