始まり

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「よし、始めるぞ!」 玄関から中庭に移動し、お互いに木刀を構える。 緊張が漂う。 「……行くぞ」 そう一言言い、ラルクは前に踏み出して来た。 木刀を振り上げ、ソウルに向かって振り下ろす。 ソウルは当然と防ぎ、二発目、三発目と来る斬撃を捌いていく。 (やっぱりだ。身体が軽いから、何時も以上に早く動ける。斬撃も簡単に回避できる……) 「ほらほら、どうした! お前はその程度か? 反撃してこないのか?」 全く反撃をしようとしないソウルに、挑発混じりで声をかける。 「なら、こっちからも行くよ」 そう言った瞬間、ラルクの視界からソウルが消えた。いや、正確には見えていないだけなのだが。 ポン ラルクの頭に硬いものが当たる。 後ろを向いてみると、先程まで目の前にいたソウルが後ろにいるではないか。 「お、お前いつの間に!」 驚くのも無理はない。 目の前にいたはず人物が、一瞬にして消え、気が付けば後ろにいたなんて。 ソウルは嬉しそうな顔で 「だから言ったでしょ。今日は一本取れそうだって」
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