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「ボール!フォアボール!」
主審が声を荒げて叫ぶ。それもそうだ。今マウンドに登っている投手が与えたフォアボールがこの試合11個目だからだ。
フォアボールほど雰囲気を悪くするものは無い。
ヒットなら、送球や走塁ミスでアウトにできるし、投手ばかりに非があるとは思えない。
エラーも少し違うが上に同じだ。
ただ、フォアボールはどうだろうか?際どいコースに投げてのフォアボールや敬遠球のフォアボールなら仕方がない。だけど、ストライクを入れようとして入らないのは最悪だ。
この場合非があるのは、そのフォアボールを与える投手だけになる。周りは何もできず、投手が一人相撲で塁を次々と埋め、埋め、埋め、押し出していく、押し出していく。延々に続く、まるで自分が野球をしているのかさえ分からなくなってしまう。
投手は疲労していくだけ。周りは何もできない。
野球で一番やってはいけないことはフォアボールだ。
少なくとも、今、この投手はそう思っているハズだ。
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