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虫の鳴き声が聞こえる…
あれからどのくらい
たっただろう…
(目が見えないから下手に動けないし…)
「よし、行くか」
クロさんが言った。
「いいか。後ろをふりむかないまま目隠しをとれ。」
後ろをふりむくなってのは
気になるけど、
目隠しをとれるのは
嬉しい。
「…ぁー…目がチカチカする…」
すっかり暗くなっていた。
やはり、ここは
日本じゃない。
「ぁ、そうだ！クロさ…」
「ふりむくなっつってんだろ！」
一瞬、心臓がとまるかと
思った。
「ごめん…」
「ううん…私こそ…」
なんでそこまで拒否するの
だろう…
「さぁ、行こう」
私たちは暗闇の中、歩きはじめた
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