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それからは、必死に
歩き続けた。
ただ、少しでも早く海岸に
つけるように。
途中、クロさんが携帯食料と
水をくれた。
お腹がすいていた私は
それを夢中で食べた。
家のご飯が急に恋しくなった。
「ふ…」
涙が、出てきた。
家に帰りたい。
母さんに、会いたい。
ふと、急に目の前が
暗くなった。
(手…?)
手で、目をおおわれている。
クロさん…?
「必ず、帰れるから」
強く、強く抱きしめてくれた。
クロさんの優しさが
肌をつたわって痛いくらいに
伝わってきた。
絶対に、
帰ってみせる。
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