正体02
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「な…んで…」 目から暖かいものが 頬をつたう。 悲しかった。 「…悪い。…わかったよ。びびるんじゃねーぞ…」 クロさんはあきらめた ように私を背中から 降ろすとこっちを 振り返った。 「目っ…が…」 クロさんは左目が なかった。 ない…のだと思う。 黒い眼帯をしていたから… さっきは目をつぶって いたのでわからなかったが 澄んだ赤色の瞳だ。 吸い込まれそうなくらい 綺麗だった。
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