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寒い。
お腹すいた。
夜だ。きっと。
男の人の声が聞こえなくなった。
どこかへ行ったのかな。
(このまま帰れなかったらどうしよう…)
どこかもわからない。
何時なのかもわからない。
チリン...
「え?」
ふと聞こえた鈴の音色。
すぐ近くで聞こえる気がする。
チリン...
また聞こえた。
今度は、足元で。
「誰…?」
試しに聞いてみた。
返事はない。
(あっ…)
手首の…縄が…とれた?
「帰り道を教えてあげる。はやくここから帰りなさい」
「えっ…」
ふと暗闇の中に見えた、
一筋の光。
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