クロさん

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「あなたは…誰?」 目隠しはまだとれていない。 むろん姿は見えない。 「私のことは気にしなくていい。君はここから逃げることを考えるんだ。」 姿の見えないその人は、 ゆっくりと私にわかるように 今の現状を話しはじめた。 「いいかい。ここは日本から大分離れた小さな島だ。なぜ君がここへ来たか知らないが、その格好を見ると好んでつかまったようじゃなさそうだね。」 姿の見えないその人は、 背がひくいのだろうか。 すごく下のほうから 声が聞こえてくるような きがする。 「あのー…」 「…何?」 (名前くらい…聞いてもいいよね…) 「なんて名前ですか?」 「…えっと…」 姿の見えないその人は、 なぜか少し考えこんだ。
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