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「お母様、見て見て!」
3つか4つぐらいの男の子が嬉しそうな声で、1人の女性に話し掛ける。
「あら、どうしたの?」
読書をしていた女性は本を閉じ、今にも突っ込んできそうな勢いで向かってくる息子を抱きしめ膝の上に乗せた。
「あのね! 僕『魔法』が使えるんだよ」
その言葉を聞き、女性は驚きと悲しみの入り交じったような表情を浮かべた。
「あら凄いわね……」
そんな母親の言葉に気を良くしたのか、男の子は立ち上がり両手を前に出して魔法を披露する。
「いくよ。見ててね!」
そう言って男の子は両手を地面につけた。
すると突然、室内なのに風が吹き出し男の子が手をついた部分に魔法陣が浮かび上がり金色に光り出した。
そして数秒後風も光も止み、男の子は嬉しそうな表情で立っていた。
「これお母様にあげる!」
そう言って差し出したのは、一匹の真っ白い子猫だった。
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