プロローグ

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「喚召術……。どこで習ったの? それにどうして喚召陣無しで発動出来たの?」 素直に息子が魔法を使った事をほめてあげられず、母親は息子に尋ねる。 「前にお父様がやっていたのを真似してみたんだ。喚召陣ってなぁに?」 その言葉に母親の顔は引きつった。息子の計り知れない才能を目にして言葉を失った。 「…………。いい? お父様と私の前以外で魔術を使ってはいけないわよ」 「うっうん」 男の子は納得できない様子だが、母親の真剣な眼差しをみて首を横に振ることは出来なかった。  だが母親の忠告も虚しく、2人の様子を見ていた者が扉の外にいた。 「これは使える──」 怪しく呟き口角をあげ、気味の悪い笑みを浮かべていた。 その人物は声を出して笑いながら、もと来た道を戻っていった。 「計画は順調だ。後少しだていたアイツが俺の計画に乗るまで。この家は俺の物になる……」 とんでもないことを考えながら男は呟く。
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