-始まり-

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美代の家に着き、貴也はインターホンを押した すると、少し間が開いてからインターホンから聞き慣れた声が聞こえた 「はい、どちらさま?」 「あ、上坂です」 「上坂・・・・あぁ~貴也君ね! どうぞ入って」 「じゃあ、お邪魔します」 美代の家に入ると昔のままの懐かしい雰囲気が残っていた おばさんが玄関まで歩いてきた 「「こんにちわ」」 「あら、伸一君と千亜紀ちゃんも来てたの。さあ皆そんなとこに立ってないで早くあがって」 おばさんは三人をリビングに促した 「それにしても今日はどうしたの?まだ13回忌じゃないのに」 千亜紀がいった 「あ、いや今年で二十歳なんで美代にも祝おうと思って」 「そうね、美代も喜ぶわ」 おばさんはにっこり笑うとお茶を持って来ると言って台所に向かった 三人は部屋の中を眺めた 棚の上には家族で撮ったであろう写真や美代の笑っている写真があった 「美代・・・・・・・・・」 その後、おばさんとたわいもない話をしていた 「あはははっ、あら、もうこんな時間!早く夕食の準備しないと」 「あ、じゃあ僕らこのへんで失礼しますね」 「じゃあまたきてね」 おばさんは三人を玄関まで見送った 「はい、また来ます」 三人はおばさんに手を振り 美代の家を後にした ~~♪ 千亜紀は携帯を見た 「ごめん、仕事入ったからここでお別れね」 千亜紀はそういってみんなに言うとタクシーを呼んだ 「ああ、じゃあまたな」 「またな」 千亜紀はタクシーに乗り込むと後ろを向き手を振った ふと伸一は後ろに視線を感じた 「貴也ごめん、俺もさき帰るわ!」 そういうと伸一はいきなり走り始めた 「え、ちょっ伸一」 伸一はもう遠くに行ってしまった 「何だよ、伸一のやつ」 貴也はアパートまでとぼとぼと帰った
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