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ガチャッ
貴也は家の鍵を閉めると傘立てにさしてある傘を手にとり階段を降りた
※貴也の家は二階建てアパートで一人暮しで家族は実家
「花、買いに行かねぇと・・・・・・・・・」
貴也は傘をさしてとぼとぼと花屋まで歩いていった
貴也は花屋に着くと傘をたたみ、中に入っていった
「これがいいかな・・・・」
貴也は花屋の店員に百合を二十本頼んだ
「毎度ありがとうございました。」
貴也は店を出て、傘をさしてまた歩き始めた
数十分かけて貴也は公園墓地に来た
そして、いくつも並ぶ墓標の中にまだ真新しい花が飾られている一つのお墓の前に貴也は立った
「もう、誰か来たのか・・・・・・」
貴也は少ししゃがんで墓の前に花を置いた
「よ、よう!」
後ろから声が聞こえたので貴也は振り向いた
「おっ、伸一久しぶり・・・・・・」
そこに立っていたのは友達の三谷伸一だった
伸一は貴也の肩に手を置いて言った
「いつも、この日になると雨降るなぁ・・・・・・。
まあ、あれだ!美代にはちゃんと晴れにしてくれっていわないとな!!」
貴也と伸一はハハッと笑った
そして少し間があき、二人は墓のほうを見た
“高橋美代の墓”
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