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高校生に入学して暫くが経つ。
僕は相変わらず、何の感慨も無しに過ごすく日々に、淡々と舌鼓をうっていた。
――播州 春日(ばんしゅう はるひ)
その“部活見学用紙”に名前を書き終えたとき、不意に後ろから声を掛けられた。
「で、何部に入るのさ、ハル?」
ボサボサした髪の毛の男だった。無駄に四肢の長い、お世辞にも柄がいいとは言えない顔である。
「どこにも入らないよ、京(きょう)。別に高校に入ってまで部活をしようとは思えないし」
僕は中学時代からの悪友であろう彼、天和 京(あまかず きょう)に返事をし、さらに続ける。
「学校の規則で、部活未入部者は最低3つは、部活を見学しないといけないなんて陰謀じゃない?」
「どーだろね。俺は剣道部だしっ、関係ないのだよ」
「帰宅部……てのは屁理屈だね……」
「だな」
とりあえず、昼休みにも関わらず、僕はその紙に残りの記入欄にイソイソとシャープペンシルを走らせた。
周りでみんなな楽しそうにしゃべっているのに、僕は何をしてるんだろう。
はぁっ、とわざとらしい位の溜め息が自然とでた。
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