-第3章-

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『真広くん、早くご飯食べに行きましょうよ。』 『あ、うん。今行くね。』 こうして後ろからクラスメイト達の痛い視線を感じながら教室を抜け出す。 真広が大きなため息をつくと、琴音は周りに人がいないか警戒しながらいつもの口調になった。 『大丈夫か?真広ももう少し演技したら良いんじゃないか?』 『そうねぇ…でも、無理よ。“俺”なんて言えない。』 『まぁなー。真広はそうゆうやつだしなぁ。まぁ、琴音様がいるから!頼りなさい(笑)』 琴音はいつも明るく慰めてくれた。 優しい、頼れる存在だった。 今の琴音にとって真広は心の支えであった。 そんな二人に、事件は起きた。 それは半年前にさかのぼる。 全ての始まりは、毎年恒例の新潟スキー旅行での出来事だった。
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