-第5章-

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『…ここ、どこや。』 気が付くと、見たこともない街を歩いていた。 (俺、どうなるんやろ。) 『…くん!…実くん!』 不意に、自分の名を呼ぶ声が聞こえ、体がビクッと動いた。 『実くん!!待ってくれ!』 高津純一が、道路を挟んだ向こう側で大きく手を振っていた。 (…なんであいつがおるんや!?俺を付けてたのか?一体なんなんや、なんなんやぁぁぁぁぁぁ) 実は心の中で叫んだ。 そして、 逃げた。 一心不乱に走り続けた。 一度も振り返らず、走り、走り、走り続けた。 実を呼ぶ声は次第に消えていた。
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