-第6章-

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『実さんのお父さんとお母さんについて聞きたいのよ。』 実は目を閉じゆっくり頷いた。 『半年前のスキー旅行で…夜中にあなたがうなされているのを聞いたわ。“オトン、オカン”って言ってた。』 それを聞いた瞬間、実は瞑ったはずの目を見開き、さつきの肩を揺さぶった。 そして興奮気味に口を開いた。 『俺は他に何か言ってたか!?それ以外に聞いたことは!?』 『いえ、私はそれしか…』 さつきはおびえた顔で、実から視線を逸らし、質問に答えた。 『…すまん。』 実は久しぶりに大声を出したせいか、額に汗をかいていた。 さつきは実の額の汗に、取り乱しように、不安を隠せなかった。 (一体何があったの。) 心で思っているだけのはずが、顔に出てしまっていたようである。 実はさつきのあからさまな表情の変化を見ると、少年のような笑顔を浮かべ、さつきの頭をなでた。 その行動にさつきは久しぶりに胸が高鳴り、少女のようにはにかんだ。 愛されてると感じた。 『これから俺が言うことは君を驚かすかもしれない。それでも、聞いてもらいたい。』 さつきは、今朝起きた時から覚悟していた。 何があってもかまわない、ただ、この人が私を愛してくれているならそれで良い。 さつきは頬を赤く染めた顔を縦に振った。
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