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誠はまるでシャワーを浴びたかのように汗をかいていた。
その便箋を服の間に隠すと、誠はゆっくりと湯船に浸かった。
月に二回程通うスポーツジムで鍛えられた体は、51という年齢を感じさせない程、綺麗に引き締まっていた。
浸かった湯船から流れ出るお湯を眺めながら、誠は日に日に増す頭痛を感じていた。
(ひろねに、一体何があったと言うんだ。俺はひろねを分かっているつもりだった。…それは、間違えだったと言うのか。結婚して20年以上経つと言うのに…。なあオヤジ、この世界は一体どうなってるんだろうなぁ。)
誠は、これから起こる何かに、不安を感じてならなかった。
睡魔に襲われそうになった誠は早々に風呂から上がり、鏡の前に立つと、気持ちを引き締めた。
(とりあえず、明日は京都だ。)
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