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栗原 志穂は夏休みの真っ最中である8月、この山奥にある田舎町の王寺市に引っ越してきた。
理由は父親の仕事が原因だった。母親は他界し、こちらの方が志穂を育てる環境が良いと思い父は決定した。
生まれ育った故郷を離れたくない、友達と別れるのは嫌だ、など思い反対するのが普通だが志穂は前の高校でイジメを受け思い出もないため反対もしなかった。
むしろ志穂からみたら好都合、早く離れたいと思っていた。
高校一年の二学期からこの古くから設立されている王寺市の中心、王寺高校に転入した。
都心と違い田舎だからなのか途中から入ってきた志穂を1-Cクラスの生徒は皆温かく迎えてくれた。
志穂も心を開き、中学生の時のような明るく元気な志穂に戻ったのである。
物語は9月中旬、秋の季節から始まる。
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