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夏海はいつものようにキャバクラで働いていた。
「だるいー帰りたいー」
ニュークラブーONEー
夏海はここのナンバー2だった。
同伴した客の色恋に疲れ果てていた夏海は客をラスト一時間前に帰らせてめずらしく待機席で携帯をいじっていた。
夏海はほとんどフリーの席につくことはない。
顧客管理だけで手一杯なくらい夏海は客数がいたからだ。
そんな夏海に店長は甘い。
「夏海ちゃ~んお疲れさま!今日は珍しいね。矢川さんラストまでいないのなんて。大丈夫?何かあったの?」
矢川さんは夏海の太客だ。店長は数字しか見ない。数字に響く事は気になって聞いてくる。
「今日は本当夏海疲れてて‥すみません‥」
「いいんだよ~本当毎月夏海ちゃんは頑張ってるもんねぇお疲れさま。」
褒める事しかしない。気持ち悪いくらいだ。
「今日フリー一名がみんな女の子回しちゃってつける女の子いなくて困ってるんだよねぇ‥」
きたきた。最悪。
早く矢川さん帰さなきゃよかった。
「いいですよ♪つきますよ。」
夏海は本当外面がいい。
「助かるよ~さすが夏海ちゃんだ。」
はークソだりぃ。
ま、いーや。
サクッと場内とって今日は終わりにしよう。
「夏海でーす。お邪魔しますっ」
元気いっぱいを作った笑顔で席についた。
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