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まぁいいや。とりあえずドリンクをすすめられた夏海はノンアルコールのジュースを注文する
「いただきます」
慣れた手つきで乾杯する二人。
このお客の存在が後に夏海と良一を引き合わせるキューピッドになる事を夏海はまだ予想もできずにいた。
その男はヒデと名乗った。お客がドンペリを散々飲ませるだの、ずいぶん売れてるように見せたいのだろう自慢話を散々してくる。
「すごいねヒデくんは♪
」
全く思ってもいないセリフを台本通りに読むかのように淡々と会話する。
「夏海ちゃんホスト行くんでしょ?サイトに書いてあったから♪」
あー本当にだるい。
同業といってもこんなホストにドンペリを入れる客がいるのかと思うと大した店でないことが容易に想像がつく。
「んー行かないって言ったらウソツキになっちゃうなぁ。夏海水商売長いしお付き合いももちろん沢山あるんだよね。なんかサイトではホスト狂いとかかかれてるけどそんなんじゃないんだよね‥夏海は楽しく飲みたいの。お酒好きだしやっぱり雰囲気が好き。夜の雰囲気が好きなんだ。
叩かれやすいのは昔からだよ。恨まれてるのかな?病むよ~」
「大変だね売れてる子は」
「全然だめだよ最近は。もう時代は終わりましたぁ」
「じゃあ夏海ちゃん面白いしラストまで場内で!」
は?ふざけんな。
場内なんて売り上げにもなんないしもう帰りたかったのに‥なーんて言えるはずもない。
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