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ーお願いします
‥由美場内で。すぐ呼んでね。
ボーイを睨みながら言う。
ーハイ。
‥いかにも機嫌が悪そうな夏海にボーイもたじたじだ。
夜の世界は売り上げが全てだ。この店はナンバー上位3人にほとんど売り上げの差はない。
実質は夏海もナンバーワンと同じ扱いを受けている。
だから誰も逆らわない。夏海にとっては最高に居心地のいい店だ。
すぐに由美を待機席から呼んできた。
ーご一緒に失礼します。由美さんです。
‥そそくさと去るボーイ。
「由美です♪あ、夏海ちん呼んでくれたの?あ、はじめましてぇ。よろしく~」
由美は夏海より年上の26歳でお酒はあんまり強くないが飲みたがり。
店でも売れているとは言いがたいが夏海のよきパートナーだ。
大体この手の店ではニコイチ。二人で一つのペア。
組みながら指名を上手く渡っている。
夏海の指名席には常に由美の場内が入る。
逆ももちろんそうで、由美の指名席にはいつも夏海の場内がはいる。
「由美とは飲み友達なんだよ♪仲良くしてね?」
「よろしく由美ちゃん!ヒデです~ホストしてま~す」
もうすでに出来上がっているヒデは本当に痛い客になっていた。
いや。痛いホスト。飲み方をわかっていない。
ホストがー俺ホストで~すなんてキャバクラで言う事はまぁみんな絶対にと言っていいほどしない。
その痛さにすぐ気付いた由美は空気を読み、持ち上げながらヒデと上手く会話を進めた。
こういう時の由美は本当に上手い。
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