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4年前・・・・
きっかけは、鑑別所で出会った1人の侠である
その侠の名は
『高戸勇次(当時)』
高戸はすでに、いっぱしの不良だった
いつも喧太に目をかけてくれ、鑑別所では何かと、高戸に世話になっていた
その高戸が籍を置いていた組織が林野一家だった
『N会K組林野一家』
全国にその名を馳せ、関東方面に強固な地盤を持つN会
そのN会の直参であるK組
大所帯のN会の中でも、ケンカと資金力に定評があるK組と縁を持つ林野一家は、札幌に本拠を置く博徒一門だ
まだ17才だった喧太は当時、対立する暴走族と乱闘事件を起こし、鑑別所に収監され、そこで高戸に出会ったのだ
高校も卒業まであとわずかで退学を余儀なくされ、鑑別所を出ても行き場が無かった喧太は、高戸を頼って林野一家の事務所を訪ねる事となる……
ススキノに程近いマンションの一室に、林野一家の本部事務所があった
喧太は、鑑別所の中で高戸が教えてくれた部屋番号を目指し、マンションのエレベーターに乗りこんだ
エレベーターを降りると、監視カメラが設置されている部屋があり、ひと目でココだとわかった・・・
ドアの横のインターフォンを押す・・・
インターフォンごしに野太い声が聞こえてきた
「林野一家本部!!」
喧太
「あ・・・あの自分
江木喧太という者ですけど・・
高戸さん居ますか?」
「え?江木さん?
ちょっ待って!」
インターフォンが切れると、ドアの鍵を解除する音が聞こえ、ドアがガチャリと開かれた・・・
「なに?高戸に用事?」
中から出てきたのは、お洒落な眼鏡をかけ、ビシーっと紺色のスーツを着た背の高い痩せた男だった・・・
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