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そんな真鍋には、裏の顔があった
札幌で確保した女を、小さな漁師町であるS町に、沈めていたのだ
女を街でナンパし、ペテンで騙し、薬漬けにしてからS町に沈める
不良のシノギなので、別にめずらしい事ではないが、林野一門硬派軍団を唱え、「女 子供を大切にしろ」と、普段から叱咤する会長の意に反するシノギなのは言うまでもない
そのナンパは、自分がケツを持つ"闘心会"(仮名)なる車のチームにさせていた
闘心会は、ほとんどのメンバーが元暴走族で、いい歳だから族は引退と、頼んでもいないのに勝手に族を辞めた連中が、仲間を集めて作った族に毛の生えたようなチームだ
その闘心会の連中が、さんざん遊んで処分に困った女を、真鍋の元に連れて行き、S町に沈めるといった構図だった
S町は札幌から車で4~5時間ほどの場所にある町だで、とある事業がこの町を有名にし、大きな利権を生んでいた
その利権のおかげで、莫大な銭が町を潤(うるお)し、夜の繁華街も大盛況であった
夜の町の各飲食店は、それなりに儲かっていた訳ではあるが、人間の欲は限りなく深く、酒なんかよりも銭になる方法を思いつく
その方法とは、いわゆる売春を含む風俗産業だった
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