~売春宿と谷政~

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真鍋はS町の中学を卒業すると進学も就職もせず、S町の駅前あたりでカツアゲをし、その金でパチンコを打つという生活を送っていた…… 真鍋の両親は、子供の真鍋をS町に置き、東京に出稼ぎに出たまま行方がわからないでいた そんな真鍋は、祖父母の元で育てられ、物心がつくと手がつけられない程のヤンチャになっていく 行くあても無く、その日暮らしの青春時代をS町で送っていた真鍋 ほどなくして彼は、行きつけのパチンコ屋で、谷政やクリーニング屋の夫婦と知り合う…… 谷政と意気投合した真鍋は、谷政の住む安アパートに転がり込み兄貴、兄貴と谷政を慕(した)うようになる 真鍋が17才の時に谷政と共謀し、行きつけのパチンコ屋の店長を脅し、専務を拉致して暴行し、不正に出玉を出してもらおうとしたが、店側の通報により、なんなく警察に捕まり函館少年院に収監された・・・ 年小を出た真鍋は、それを期に、一時期、谷政を離れ、札幌に出てきて林野にワラジを脱いだのだ…… さて、話しを戻そう… 新たな金儲けのタネを模索する夫婦は、谷政から売春宿の経営の話しを持ちかけられる 金しか信用しないカミさんと、うまくいけば若い女と楽しめるかもと、いやらしい考えを抱く旦那は谷政の話しにのる・・・ 雇う女の確保は札幌の真鍋に任せ、新たな店の改装に惜しみなく金をつぎこみ、欲に支配された3人は、ついに悪の巣窟を完成させる 菜摘が家出をする、約1年前のことだった…… ・
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