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この日から母親を拒絶しだす菜摘…
口もきかず、作られたご飯に手もつけず、母親が声をかけると、にらみ返すだけになる
そんな菜摘を見て、ただ気を使うだけの不器用な母親……
オドオドしている母親の姿を見て、更にイライラを募らす菜摘
純粋さを取り戻せないでいる菜摘は、見る大人すべてが汚らわしく、いやらしく見えてしまい、近寄ってほしくないと思うようになる
近所で優しく声をかけてくるオバサンでさえ
「邪魔っ!」と押し返していた
世の中すべてに冷めてしまった菜摘はこの頃、金髪に近いカラーリングを髪に施(ほどこ)し、素の顔がわからないほどの派手なメイクをして登校していた
目一杯の……
幼い……
抵抗だった……
だが、その幼い抵抗を学校側が寛大な気持ちで許すはずもなく、毎日のように職員室や相談室に呼ばれ、挙げ句は家庭訪問まで受ける
菜摘の担任は男性教諭で当時25才の熱血先生だった
校則違反を何故するのか菜摘に問いただしても、何も語らない菜摘
それでも何とかしようと食い下がらない担任……
何とかなんてなるわけがない……
ただ、純粋に生きていこうとする綺麗な蕾(つぼみ)の14才を、いつも邪魔し、邪悪にするのは、汚く醜い嘘だらけ世の中に生きる
大人達なのだから………
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