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母親は寂しかった…
そして辛かった…
女手ひとつで菜摘を育て、自分の好きな服も、好きな音楽も、買うことも楽しむことも我慢して菜摘を育てていた
美容室にも行けず、化粧品すら買えない生活が、きっと辛く寂しかったはず…
まだ28才の母親は、夜の世界で酒を覚え、やがて偽りの愛に目覚める…
旭川市の繁華街で、働く菜摘の母親は、店で用意してくれた送迎の車があるのに、それには乗って帰らず、客と朝まで飲むことが多くなってしまう。
更に客から優しくされると体を許してしまうモロい人間になってしまった。
学校に行く時間になっても母親の姿はなく、カーテンが閉めきられた暗い居間で、泣きながら登校準備をしていた菜摘。
せつないその姿は、たびたび見られるようになっていた。
子供は親を選べない……
親も選べず、子供は生まれる……
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