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僕は1匹だ。
日も暮れて暗くなってきた。
寒いよ、お腹空いたよ。
(ガサガサ)
ん?
また誰かが、のぞいている。
髭がもじゃもじゃのクサイいおじさんが、のぞいている。
おじさんクサイいよ、あっち行ってよ。
「なんだボウズ捨てられちまったのか?」
そう言うと、おじさんは僕を抱き上げた。
クサイいってば、嫌だよ、離してよ。
僕は髭のおじさんの家に連れて行かれた。
おじさんの家は、僕が捨てられたその公園の中にあった。
おじさんの家は青いビニールの手作りのテントの家だった。
おじさんは、お腹の空いた僕にミルクをくれた。
おじさんはクサイいけど優しかった。
その日から僕はおじさんの家族になったんだ。
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