ChapterⅢ

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要は借りた物は返せってことだ。こちらはこの街に順応する機会を与える。彼等がそれに順応できるかは彼等自身の問題だ。 一ヶ月分の食料なんてちゃんと働けば何回かに分ければすぐに返せる。 家だって最初の頃は俺のいた世界にあった借家みたいに家賃を払って住み、生活に余裕があれば買えば良い。 「自分はこの街の労働力として貴方達が欲しい。貴方達は安定した暮らしのできる環境が欲しい。この条件ならどちらにも損は無いと思いますが?」 「…………そうですな。私はその案を受け入れましょう。皆は何か意見があるか?」 老人がそう村人達に問うと、村人達は何も意見はないのか首を横に振る。 よし、とりあえず反対意見は無いみたいだな。 んじゃ、あとは帰って家や食料、それと彼等の新しい仕事の準備をするだけだ。
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