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「アイル様、おめでとうございます。今日より貴方様が王でございます」
家来よりその称号となる物を授かる一人の子供。
肩ぐらいまである綺麗な黒髪に漆黒の瞳。
女性のように綺麗な白い肌に形の整った美しい顔立ち。
名前は『アイル』
17歳を向かえたばかりのアイルは前王である父親の言葉により王となった。
いずれは長男であるアイルが王になるとは誰しも思ってはいたが、こんなにも早く王になるなどは思ってはいなかった。
それはアイル自身も。
しかしアイルは国のため、王になることを決心した。
式を終え正式に王となったアイル。
そこに一人の少年がやってきた。
「兄ちゃん!おめでとう!!」
「ミカ…ありがとう」
少年の名前は『ミカ』
9歳になるアイルの弟である。
漆黒に包まれるアイルとは違い、髪は茶色で瞳の色も薄い。
平均よりも小さな身長がまた可愛らしい。
「俺、すごい嬉しい!兄ちゃんが王になって!!」
「そうか?照れるな」
純粋に喜ぶミカにアイルは照れながら微笑んだ。
そんな二人を微笑ましく見ている一人の青年がいた。
「アイルもついに王か…これでアイルなんて気軽るに呼べなくなるな?」
「やめてよシンちゃん…俺とシンちゃんは友達だろ?これからも変わらずに接してよ?」
『シン』と呼ばれた青年はアイルとミカの護衛をしている人間である。
シンは二人がもっと幼い頃にこの城にやってきた。
今は何でも分かち合える友達のような関係だ。
シンはくせっ毛の黒髪に成人はしているものの顔は童顔だ。
しかし身長は180近くあり男らしい。
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