出発と共に

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槞兎達はそれから歩き続けた。 城下を出て草原を。 そして小さな街にたどり着いた。 莉流の足の怪我のこともあったので今日はこの街で休むことにした。 「いたっ…」 ガクッ… 街に入り少しすると 莉流がその場に座り込んだ。 「どうした!?」 槞兎がしゃがみ込む。 すると莉流が怪我した足を抑えた。 「すみません… ちょっと痛んで…」 ちょっと待てょ… 治療してもらったはずしゃぁ… 槞兎は莉流を抱えて近くのベンチに座らせた。 「ちょっと見せてみろ」 「ぇっ…ぁのちょっと…!」 槞兎は包帯を取った。 「!?…なんだょこれ…」 槞兎が目にしたのは治療も何もされていなく ただ包帯が巻かれただけの痛々しい足… 「莉流姫、治療は…」 すると莉流は悲しそうに笑った。 「アハハっえっと… あのあと神官様に医務室へ連れていかれたのですが 薬がないといわれて…」 槞兎はのりあげた 「薬がないだと!? ないわけがなぃ」 「私もそぅ思いましたが…何故か…」 やられた 他国の者を嫌っている神官に任せたのを、槞兎は悔やんだ。 神官は前から他国の者を何故か嫌う癖がある。 その理由は槞兎もわからなかった。 槞兎は一時黙り込んだ。 「こんな足で 歩いていたのか」 赤く傷口が腫れた足。 こんな足でこの街に来るまで… 「だ、大丈夫ですょ。 なんとかなりますから。」 莉流は笑顔だった。 自分がされたことに対して悲しくとも 笑っていた…。 (なんで 笑えるんだ…) 槞兎が立ち上がる。 「とにかく今すぐ医者に見せるぞ。」 そういって莉流を抱き上げた。 「ほぇ///💦 離してください💦」 「聞耳持たず。」 槞兎は微かに莉流に笑って医療所を探した。
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