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砕けた記憶
「王子、もうすぐ謁見のお時間です」
綺麗な広い広い部屋。
ベットに座り、外を眺める槞兎に、神官が声をかける。
あれから約二年が経った…目の前で母を殺された槞兎は…その時のショックにより…全ての記憶を失っていた……
この二年間、槞兎はニンギョウ同然のようだった
まるで感情が無くなってしまったかのように物事を考えるようになった
「今行く…。
今日誰が謁見を申し出てきた?」
槞兎が神官にたずねる
「はい。今日は何故か久々に他国の者のようです。しかも王子と同じ年頃の少女だとか」
「女…?」
「他国の姫君のようですよ。王子に願い出たいことがあるとか…」
神官の話しに槞兎は不思議に思った
(他国の姫が俺に何のようが…)
ふと気になったが、槞兎は目を伏せて立ち上がった
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