姫の謁見

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姫の謁見

謁見の間に赴いた槞兎は、大きな王座に腰掛けた。 謁見の間の扉が静かに開かれる 「ただいまからの謁見。主帝光(シュティライト)国の姫君、莉流(リル)様であります」 神官が声をあげた 扉の向こうに姿を現したのは綺麗な金色の長い髪、そして足元まで続くピンクのリボンをしていた 瞳は青く透き通るようなサファイアのよぅ… 服は旅服のようで、短いスカートをはき、上にはローブを羽織っていた 莉流と呼ばれた姫君の少女は、謁見の間に入り槞兎の前でひざまづいた 「お初にお目にかかります。主帝光国の代表として参りました、莉流と申します」 優しい声… 瞳と同じように透き通る 槞兎は莉流に不思議な感覚を受けた 「…それで、何でまた主帝光国の姫が私の所に?」 槞兎が莉流に問い掛けた 「王子に…槞兎王子様に折り入ってお願いがあり参りました」 「(俺に…?)願いとはなんだ?」 莉流は一瞬俯いたが、すぐに顔をあげ、まっずぐに槞兎を見た 「王子に…私の国に来ていただきたいのです!」 「?…」 莉流の言葉に槞兎は首を傾げた 「今我が国は凶作に見回れ、作物も満足に育たない状態です。数年前からの不規則な気候の変動…。 私はもう!苦しむ民を黙って見てはいられないのです!!」 莉流は立ち上がった 「そこで…王子のお力をお借りしたいと…!」 莉流がいう、お力… つまりそれは…世界をも変える力 その力を使う度に… 槞兎の生命力は奪われてゆく… すると神官が莉流に向かって杖を向けた!
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