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「無礼な!いくら主帝光国の姫君様で有られても、槞兎様の死を見られる発言は許されません!」
「!…私はそんなつもりはありません!私は…!」
莉流は胸元に手を重ねる
そんな莉流をみた神官は、少し戸惑いながらも杖を莉流に向けた
「やめろ」
するとそれを見ていた槞兎が神官に向かって言い放った
「お、王子!?」
「姫君の気持ちはわかった…。一晩考えてみよぅ…」
そういった槞兎に、神官は慌てたように言う
「なりません王子!これ以上力を使われては!」
「神官、お前に私の生死を預けた覚えはない…」
槞兎は立ち上がり、莉流に近寄った
「姫君、一晩、時間をくれるか?」
「は、はい!!」
莉流は嬉しそうににっこりと笑って返事をした。
何故だろうか…
こんな笑顔…初めて見たような気がする…
莉流が返事をしたのを確認した槞兎は、少し顔を険しくして莉流を言った
「…足を…怪我しているな?」
「!……」
莉流は驚いたように槞兎を見る
静かに槞兎は、莉流の右足に触れた
「いたっ…!!」
「…この国に来る途中、夜盗か何かに襲われたか…」
小さく呟いた槞兎は、神官を見た
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