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「生まれ変わってもまた君の恋人になれるかな」
寂しそうに彼が私を見た。
私は林檎をむく作業を止めずに反応しない。
「生まれ変わりとか、輪廻とか君は信じないの?」
穏やかな笑顔で聞く彼に腹が立った。
私はガチャンと無造作にお皿に林檎を置くと彼を睨みつけた。
「生まれ変わっても、とか輪廻とかより」
私は彼の痩せ細った手を見つめた。
「早く元気になって……、『今』に心残りがないくらい生きようとは思わないの!?」
なんで、諦めちゃうの!?
なんでそんな寂しそうな顔するの!?
「ちゃんと今を生きたら、
私の事なんて飽きる程に傍にいたら、
生まれ変わりたいなんて思わないよ!!」
私は林檎の甘い匂いが仄かにする手で、慌てて涙を拭った。
「最近、君の笑顔見なくなった」
彼は辛そうに起き上がると、優しく手の甲で私の涙を拭った。
「君の、笑顔が見たい」
今にも泣き出しそうな顔。
私の笑顔?
何で見せなきゃいけないの。
こんな真っ白な病室で。
貴方の命を助けているのか、カウントダウンを刻んでいるのか分からない機械に囲まれて。
点滴を打って青白い貴方のそばで。
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