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優しい言葉を吐く貴方は酷い。
残された私の事も考えて欲しい。
悲しまない様に、私が貴方を嫌う様な言葉を吐いて欲しい。
「ごめんね?」
彼が、首をかしげて見つめてきた。
あぁ、分かっているわ。
一番、辛いのは貴方だって。
一番、怖いのは貴方だって。
一番、泣きたいのも。
「あーんして食べてくれたら許してあげる」
私が不格好な林檎を彼の口元に運ぶ。
彼が美味しそうに食べてくれたから、
私はゆっくり笑った。
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